創業50年、地域に根を張る中堅ゼネコンK社。同時進行15〜20件の工事案件を、工事台帳Excelと現場の紙日報で回していた同社が、ナナラボで工事管理システムを段階的に構築。"決算で赤字が発覚する"状態から脱却し、月次で原価を把握できる経営体制に変わった事例です。
K社は公共工事から民間建築まで幅広く手掛ける地域ゼネコン。同時進行案件は常時15〜20件、協力会社は登録80社超。ところが工事原価の集計はExcel工事台帳を経理が手入力、現場日報は紙とLINE写真、協力会社への発注は現場監督の頭の中という状態でした。
月次試算表は"出来高ベース"の概算のみ。実際の案件別利益率が明らかになるのは決算を締めてからで、年に数件出る赤字案件は手の打ちようがない事後発覚。2代目社長が就任してから最も頭を悩ませていた課題でした。
"売上は読めるけど、利益が読めない"状態でした。7〜8月に"あの案件、想定より材料費かかってるな"と気づく頃には工程が9割進んでいて、挽回できない。数字が遅れて来るほど、経営判断は勘に頼るしかなくなります。
— K社 代表取締役社長様建設業向けの有名パッケージ3社から提案を受けましたが、いずれも大手ゼネコン基準の機能設計で、K社の規模には過剰。使わない機能が操作性を悪化させ、現場のベテラン監督が触る気にならないことが懸念されました。
プロトタイプを現場監督5名に見せ、「これなら使える」の声を確認してから本開発を正式発注。"失敗しないDX"の形を作れました。
建設業のご相談では「パッケージを試したが定着しなかった」というケースが最多です。現場のワークフローは会社ごとに微妙に異なり、"合わせる"より"作る"方が結果的に早く定着します。MVPで最小構成をリリース → 現場の声を反映 → 機能を広げる、という順序が相性抜群の業界です。
最初のプロトタイプでは工事台帳・予実ダッシュボードを提示。その後の本開発では"現場監督が毎日触る日報アプリ"を先行リリースし、日々のデータが自動で蓄積される基盤を整えました。発注・労務費・経理連携は順次追加し、10週間で全体が統合される設計です。
現場監督からは「LINEに写真送るのと変わらない操作感」という評価。ITリテラシーに関わらず、初日から全員が使い始められました。現場アプリはスマホ最適化され、写真・天候・入場職人の人数を3分で登録できます。
K社様からは「現場が最初に使い始められたのが何より大きかった」とのお言葉をいただきました。多くのDXが経理や経営から入って現場に降りず頓挫する中、逆方向からのアプローチが成功の鍵だったと振り返っています。
現場の若手が「これ、便利ですね」と言い始めた瞬間、勝ちを確信しました。ベテラン監督も"若手が使えるなら自分も"と動き出してくれた。
毎週の打ち合わせで"動く画面"を見ながら「この項目も入れて」と言えるスピード感は、過去に経験したシステム開発と全く違いました。紙の仕様書で議論していた時代には戻れません。
今年度、初めて"想定より利益が出た"決算になりました。数字が見えるだけで、これだけ経営判断が変わるのかと驚いています。
— K社 代表取締役社長様現在は第2フェーズとして、BIMデータとの連携・見積精度の向上・安全衛生管理の機能追加を進めています。いずれは蓄積した実績データから、AIによる見積り自動生成を実現したいと考えているとのこと。ナナラボでは引き続き段階的なリリースを支援していきます。
費用は一切かかりません。「違った」と思えば、ここで止められます。