地場で40年、ドライバー40名・トラック35台を抱えるE運送。運行管理者の頭とホワイトボードで回していた配車業務が、2024年問題(改善基準告示改正)を前に限界を迎えていました。ナナラボで配車ボード・ドライバーアプリ・運行日報を統合、労務コンプライアンスと生産性を両立した事例です。
E運送は地場密着の中堅運送会社。配車は毎朝4時から運行管理者がホワイトボードとエクセル、そして頭の中の"ドライバー相性"や"道の混雑予測"を元に組み立てていました。30年勤続のベテラン管理者の暗黙知に支えられる体制です。
ドライバー日報は紙で、月末に事務が経費精算と突合して入力。デジタコ(運行記録計)のデータは別システムで、業務データと連動せず、走行実績が経営に活かせていない状態でした。
そこへ押し寄せたのが2024年問題。改善基準告示の改正で拘束時間・休息時間の管理が厳格化、違反は監査対象。紙とホワイトボードでは対応が困難でした。
ベテラン管理者が倒れたら会社が止まる、と長年言われ続けていました。でも属人化を解消しようにも、配車業務は難易度が高く、システムを入れても"結局ベテランが手で直す"ものばかり。2024年問題で、もう後回しにできなくなったんです。
— E運送 専務取締役様大手パッケージを過去に導入経験あり。しかしドライバーがアプリを触らず紙に戻ってしまった苦い経験がありました。現場が使わないデータは、どんなに立派なシステムでも価値を生みません。
初期プロトタイプを5名のドライバーに試用してもらい、「これなら書ける」の声を得てから本開発に進みました。
運輸業のご相談では「ドライバー側UIの作り込み」が成功を左右します。走行中ではなく、運行終了直後の疲れた状態で触るUIという前提で、ボタンサイズ・画面遷移・入力項目を設計しました。E運送様ではデジタコ連携で自動入力できる項目も最大化し、手入力は最小限に。
配車ボードはドラッグ&ドロップで案件×車両×ドライバーを組み替え可能。運行管理者の"暗黙知"を補助する推奨配車ロジック(拘束時間残・エリア・ドライバー希望)を実装しました。
本稼働から2ヶ月で、全ドライバー40名がアプリに完全移行。紙日報は廃止されました。ドライバーアプリはスマホ最適化を徹底し、運転後の疲れた状態でも操作できる大きなボタンと最小限の入力項目で設計しています。
E運送様から最も評価いただいたのは、"ベテランの暗黙知に寄り添う設計"でした。
最初は"配車の自動化は無理"と思っていました。道の渋滞、ドライバーの性格、荷主の癖…全部頭の中にあるから。
でもナナラボさんは"完全自動化"じゃなく"ベテランの判断を補助する"という方向性で設計してくれた。拘束時間の残や車両距離は機械が出し、最後の判断はベテランが下す。この役割分担が絶妙で、ベテランも"使わされる"感じがなく、現場の抵抗がなかったんです。
第2フェーズでは、荷主との受注連携API・AI配車提案の高度化・ドライバー評価制度の運用支援を準備中。データが蓄積された今、"勘と経験"を強化する次の武器としてAIの活用を模索しています。
費用は一切かかりません。「違った」と思えば、ここで止められます。